訪問看護のオンコール、実際は月に何回鳴る?見学で確かめるべき5つの質問

訪問看護への転職を考えたとき、最後まで残る不安が「オンコール」ではないでしょうか。

夜中に電話が鳴るのか。鳴ったら必ず出動するのか。子どもを置いて出られるのか。家族の理解は得られるのか——。

求人票には「オンコール月4〜5回」とだけ書かれていることがほとんどです。ですが、この数字だけではあなたの生活がどう変わるかは、ほぼ何も分かりません。

理由はシンプルで、「オンコール当番の回数」と「実際に電話が鳴る回数」と「実際に家を出る回数」は、まったく別の数字だからです。

この記事では、説明会や見学会の場で必ず聞いておきたい5つの質問を紹介します。どれも面接の場では聞きづらく、しかし入職後の生活を大きく左右する項目です。


オンコールって、そもそも何をするの?

夜間や休日に携帯電話を持ち、利用者さんやご家族からの連絡に備える待機のことです。連絡が来たときの対応は、電話で症状を聞き取って対処を伝える「相談対応」と、電話では難しい場合にご自宅へ伺う「緊急訪問(出動)」の2つに分かれます。

待機中でも連絡がなければ、自宅で普段どおり過ごせます。

なぜオンコールがあるの?

在宅で療養する方が「夜中でも相談できる」安心を得るためです。医療保険の訪問看護には24時間対応体制加算という仕組みがあり、24時間連絡を受けられる体制を整えている事業所が評価されます。そのため多くのステーションがオンコール体制をとっています。

担当は月に何回? 人数で決まります

事業所の人数と体制で大きく変わり、一律の相場はありません。考え方はシンプルで、1か月30日分の待機を5人で分ければ1人あたり月約6回、10人で分ければ約3回です(単純な計算例で、全国の統計値ではありません)。

つまりオンコールを担当する人が何人いるかが、負担を左右する一番のポイントです。求人票の「オンコールあり」だけでは、ここが分かりません。

夜中に呼ばれる回数は、事業所でどう違う?

ターミナル期の方や医療的なケアが多い方を多く受け入れている事業所では、連絡も出動も多くなりやすい傾向があります。逆に、日中の訪問でしっかり備えている事業所では夜間の連絡が少ないこともあります。「一般的にどうか」より、その事業所の実績を聞くのが確実です。

オンコールの負担を減らすルールはある?

あります。2024年度(令和6年度)の報酬改定で、オンコールを担う看護師の負担を軽くする取り組みが評価されるようになりました。例として次のようなものがあります。

  • 夜間対応した翌日の勤務間隔を確保する
  • 夜間対応の勤務を連続2回までにする
  • 夜間対応の後に休日を確保する
  • 夜間のニーズを踏まえて勤務体制を工夫する
  • ICT・AIなどを使って業務負担を軽くする
  • 電話対応を担当する人を支援する体制をつくる

これらは24時間対応体制加算の届出基準で、「アまたはイを含む2項目以上」を満たすと上位区分(月6,800円)、それ以外は6,520円が算定されます。こうしたルールを整えているかどうかは、働く人を大切にしているかを知る手がかりになります。

なお、こうした手当や体制を運営側がどう決めているかは、訪問看護の経営支援を行う株式会社UPDATEの「訪問看護のオンコール手当はいくらが妥当?回数の目安と負担を減らす体制づくり」にくわしくまとめられています。

オンコールなしで働くことはできる?

事業所によっては可能です。パート勤務や、子育て・介護中などの事情に合わせて、免除したり回数を調整したりできる場合もあります。「入職してすぐはひとりで担当しない」という事業所もあるので、遠慮せず相談してみてください。

見学で確かめたい5つの質問

質問1:「当番の回数」ではなく「実際に鳴った回数」を教えてください

まず押さえるべきはここです。

求人票の「月4〜5回」は当番に入る日数であって、電話が鳴る回数ではありません。当番日でも一度も鳴らない日は珍しくありませんし、逆に一晩に複数回鳴ることもあります。

聞き方の例:

「直近3ヶ月で、オンコール当番のうち実際に電話が鳴った日は何日くらいでしたか?」

数字が即答で出てくる事業所は、オンコールの実績をきちんと記録・共有しています。「うーん、人によりますね」としか返ってこない場合は、管理がされていない可能性があります。

ちなみに、求人票にオンコール手当の内訳が書かれている場合、そこから当番回数を逆算できます。たとえば「オンコール手当14,000円(平日3回、休日1回)」という記載があれば、月の当番は4回という前提で給与が組まれていることが分かります。


質問2:鳴ったうち、実際に出動したのは何件ですか

これが2つ目の分岐点です。

オンコールの電話の多くは、電話対応だけで終わります。「熱が38度ある」「便が出ていない」「点滴が漏れているかもしれない」といった相談に、電話で指示を出して翌日の定期訪問で対応する、という判断が大半を占める事業所も少なくありません。

一方で、看取り期のご利用者さまを多く抱えている事業所では、深夜の出動が現実的に発生します。どちらが良い悪いではなく、自分の生活と両立できるかどうかの問題です。

聞き方の例:

「電話が鳴ったうち、実際に訪問したのは何件くらいですか?」
「出動するのは、どういうケースが多いですか?」


質問3:夜間に出動するとき、翌日の勤務はどうなりますか

ここは事業所によって運用がはっきり分かれます。

  • 深夜に出動しても翌日は通常どおり出勤
  • 出動した場合は翌日の訪問件数を減らす
  • 一定時間を超えた場合は翌日を休みにする

この運用がルール化されているか、それとも「そのときの状況次第」なのかは、長く働けるかどうかに直結します。

あわせて、出動したときの手当がいくらなのかも確認してください。「オンコール手当(待機分)」と「緊急訪問手当(出動分)」が別建てになっている事業所もあります。


質問4:入職してから、いつオンコールに入りますか

訪問看護が初めての方にとって、これは非常に重要です。

多くの事業所では、入職後3〜6ヶ月はオンコールを免除し、その間に同行訪問と研修でご利用者さまを覚えてもらう、という運用をとっています。ケアみるに掲載されている訪問看護ステーションでも、この期間設定を明示しているところがあります。

ただし、「制度としてある」ことと「実際にそう運用されている」ことは別です。人手が足りない時期には、予定より早く当番に入ることになるケースもあります。

聞き方の例:

「直近で入職された方は、実際にいつからオンコールに入られましたか?」

制度の説明ではなく、直近の実例を聞くのがポイントです。


質問5:オンコールの免除や回数の相談はできますか

最後に、これは遠慮せずに聞いてください。

小さなお子さんがいる、家族の介護がある、持病がある——事情は人それぞれです。訪問看護ステーションの中には、オンコール免除や回数の相談に応じているところが実際にあります(その分、給与に差が出る設計になっていることが多いです)。

「聞いたら選考で不利になるのでは」と心配される方が多いのですが、入職後にミスマッチが発覚して早期退職になるほうが、事業所にとっても損失です。採用側は、続けられる人に来てほしいと考えています。


なぜ「見学」でないと分からないのか

ここまでの5つは、いずれも求人票には書かれていない情報です。そして、面接の場では聞きづらい質問でもあります。面接は評価される場なので、条件面の踏み込んだ質問はどうしても遠慮が働きます。

個別説明会・見学会は、そこが違います。選考ではないので、条件の話から入って構いません。

実際に訪問に同行させてもらえる事業所であれば、移動の負担、1件あたりの滞在時間、記録をつけるタイミング、スタッフ同士の連絡の取り方まで、1日の流れをそのまま見ることができます。オンコールの当番表を見せてもらえることもあります。


まとめ

オンコールについて、見学・説明会で聞くべきこと:

  1. 当番の回数ではなく、実際に鳴った回数
  2. 鳴ったうち、実際に出動した件数と、そのケースの内容
  3. 夜間出動した翌日の勤務の扱い(ルール化されているか)
  4. 入職後、いつからオンコールに入るか(直近の実例)
  5. 免除・回数相談ができるか

この5つが具体的な数字で返ってくる事業所は、オンコールの負担をきちんと把握し、管理しようとしている事業所です。逆に曖昧な回答しか返ってこない場合は、その曖昧さ自体が一つの情報になります。

ケアみるでは、応募前に職場を見てから判断できる個別説明会・見学会の情報を掲載しています。「まだ転職を決めていない」段階でのご参加も歓迎しています。 その場で選考に進む必要はありません。

※ 24時間対応体制加算の区分と負担軽減の取り組みは、令和6年度診療報酬改定(訪問看護療養費)の届出基準にもとづきます。出典:令和6年度改定資料(訪問看護療養費)

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記事で紹介したポイントは、実際に現場を見ると一番よく分かります。ケアみるに掲載中の訪問看護ステーションの見学・説明会情報です。

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