ケアみるに寄せられるご相談で、もっとも多いのがこの質問です。
「転職するかどうか、まだ決めていません。この状態で見学を申し込んでもいいのでしょうか」
結論からお答えします。問題ありません。むしろ、その段階の方にこそ見に行っていただきたいと考えています。
応募や面接の前に「見学だけ」を申し込むのは、医療・介護の転職ではごく普通の進め方です。転職活動の最初の一歩として、見学から始める方も増えています。
ただ、「大丈夫ですよ」とだけ言われても不安は消えないと思うので、受け入れる事業所側がどう考えているのかを含めて、具体的にご説明します。
「見学だけ」でも、事業所は冷やかしだと思っていない
見学を受け入れる事業所にとって、いちばん困るのは入職後すぐに辞められることです。
採用にはコストがかかります。人材紹介会社を使えば年収の2〜3割が手数料として出ていきますし、自社で募集しても求人媒体費と、面接や研修にあたる管理者の時間が消えます。それだけかけて採用した方が3ヶ月で辞めてしまえば、費用はすべて無駄になり、残されたスタッフの負担も増えます。
だからこそ、見学に来て「合わない」と判断してもらえるのは、事業所にとって損ではありません。
むしろ「よく分からないまま応募して、入ってから気づく」ほうが、お互いにとって最悪の結果です。
「今すぐ転職する気はないけれど、訪問看護がどういう仕事か見ておきたい」——この動機は、採用側から見れば慎重で真面目な人という評価になります。マイナスにはなりません。
それでも見学が断られるケース
正直に書くと、断られることもあります。主に次の3つです。
1. ご利用者さまの同意が得られない場合
訪問看護やデイサービスの見学では、ご利用者さまのご自宅や生活の場に立ち入ることになります。第三者の同行には、当然ながらご本人・ご家族の同意が必要です。同意が取れなければ、その日の同行訪問は見送りになります。
事業所見学と面談だけなら問題なく受けられることがほとんどなので、申し込み時に「訪問同行も希望するか」を伝えておくとスムーズです。
2. 感染症流行期
冬季のインフルエンザ・新型コロナの流行期は、施設内への立ち入りが制限されることがあります。時期をずらすか、オンラインでの説明会に切り替わる場合があります。
3. 募集を終了している場合
見学の目的が採用である以上、すでに採用が決まっている職種については見学の受け入れが終了することがあります。
見学だけで終わってもいい? 断りにくくなりませんか
これも本当によくいただく質問です。
その場で選考に進む必要はありません。 ケアみるを通した説明会・見学会では、見学後に「今回は見送ります」と伝えていただいて構いません。
とはいえ、対面で断るのが苦手という方は多いと思います。実際的なコツをお伝えします。
- 見学の冒頭で伝えておく:「今日は情報収集のために伺いました」と最初に言っておくと、終わりの空気が軽くなります
- その場で返事をしない:「持ち帰って検討します」で十分です。即答を求める事業所であれば、それ自体が判断材料になります
- ケアみる経由で断る:直接言いづらい場合は、こちらから事業所にお伝えします。理由を詳しく説明する必要もありません
「気まずくなるのが嫌だから見学しない」という理由で、情報がないまま転職先を決めてしまうほうが、はるかにリスクが大きいと考えています。
面接前の見学と、面接後の見学は何が違う?
転職の見学には、大きく分けて面接前(応募前)の見学と、面接後・内定後の見学があります。
面接後の見学は、すでに選考が進んでいるため、給与や勤務条件の最終確認が中心になりがちです。一方、面接前の見学は選考ではないので、「この仕事が自分に合うか」を気軽に確かめられるのが大きな違いです。分からないことをその場で質問しても、評価に響く心配はありません。
転職するか迷っているなら、面接前の見学から始めるのがおすすめです。当日に何を聞けばいいかは【職種別】個別説明会・見学会で聞くべき質問リストにまとめています。
決めていない段階だからこそ、見えるものがある
転職を決めた人の見学と、決めていない人の見学では、実は見るべきポイントが違います。
転職を決めている人は、どうしても「この職場に入れるか」という視点になります。給与、休日、通勤時間——条件の確認が中心になりがちです。
一方、決めていない段階では、もっと素朴な目で見ることができます。
- スタッフ同士がどんな声のかけ方をしているか
- 記録をつけている時間はどれくらいか
- ご利用者さまへの言葉づかいはどうか
- 管理者がスタッフにどう接しているか
こうした部分は、求人票にも、面接にも出てきません。そして、入職後の働きやすさにもっとも効いてくる部分でもあります。
「まだ転職しない」と決めて見学に行くと、かえってこういう部分がよく見えます。
今の職場に残る、という結論でもいい
ケアみるは説明会・見学会の情報を扱っていますが、「転職したほうがいい」とお勧めすることはありません。
他を見たうえで「今の職場のほうが良かった」と気づくことは、珍しくありません。それは無駄足ではなく、今の職場に納得して残れるようになったという立派な結論です。
不満を抱えたまま「他はもっとひどいかもしれない」と想像で我慢し続けるのと、実際に見たうえで残るのとでは、日々の気持ちがまったく違います。
まとめ
- 転職を決めていない段階での見学は、受け入れる事業所側にとっても歓迎されます
- 断られるのは、ご利用者さまの同意・感染症流行期・募集終了の場合です
- 見学後に断って構いません。直接言いづらければ、ケアみるからお伝えします
- 決めていない段階のほうが、職場の空気を素直な目で見られます
- 見たうえで「今の職場に残る」という結論も、十分に価値のある結果です
ケアみるでは、医療・福祉業界での転職やキャリアについての無料相談も受け付けています。担当するのは、実際に医療・福祉事業所の運営や採用に携わってきた経験者です。「まずは話だけ聞いてみたい」という段階でも歓迎しています。
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記事で紹介したポイントは、実際に現場を見ると一番よく分かります。ケアみるに掲載中の訪問看護ステーションの見学・説明会情報です。
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