見学の日程は決まった。でも、当日何を聞けばいいのか分からない——。
これは非常によくあるご相談です。せっかく現場に行っても、施設を一周して「ありがとうございました」で終わってしまうと、求人票を読むのと大差ありません。
この記事は、当日そのまま開いて使えるチェックリストです。職種ごとに、入職後の働きやすさに直結する質問を並べました。スマートフォンでこのページを開いたまま質問していただいて構いません。
全職種に共通する質問と、職種別の質問に分けています。
全職種共通(5問)
1. 直近1年で入職された方は何名で、今も在籍されているのは何名ですか
定着率をもっとも端的に聞く質問です。数字が即答で返ってくるかどうかも含めて情報になります。
2. 記録はいつ、どこで書いていますか
業務時間内に書けているか、持ち帰りが発生していないか。ほぼすべての職種で負担の差が出る部分です。
3. 入職後、最初の3ヶ月はどんな流れになりますか
研修の有無より、「直近で入職した方が実際にどうだったか」を聞くほうが実態に近づきます。
4. 分からないことがあったとき、誰に聞く流れになっていますか
指導役が決まっているか、その場にいる人に聞くのか。前者のほうが圧倒的に働きやすいです。
5. この事業所で働くうえで、大変だと感じる部分はどこですか
良いところは聞かなくても説明されます。大変な部分を具体的に答えられる事業所は、現場を把握していて誠実です。「特にないですね」という答えが返ってきたら、少し注意して見たほうがいいかもしれません。
看護師(訪問看護)
- オンコールは、当番回数ではなく実際に鳴った回数で月何回ですか
- 鳴ったうち、実際に出動したのは何件ですか
- 夜間に出動した翌日の勤務は、どういう扱いになりますか
- 入職後、いつからオンコールに入りますか(直近の入職者の実例で)
- オンコールの免除や回数の相談はできますか
- 1日の訪問件数は平均何件ですか。移動手段は何ですか
- ターミナル・看取りのご利用者さまは、常時何名くらいいらっしゃいますか
- 訪問先で判断に迷ったとき、誰にどう相談する流れですか
- 記録システムは何を使っていますか。操作を見せていただけますか
オンコールについては、こちらのコラムで詳しく解説しています。
看護師(デイサービス・施設)
- 1日のご利用者数に対して、看護師は何名体制ですか
- 医療処置はどの程度発生しますか(頻度と内容)
- 介護業務はどこまで兼務しますか
- 急変時の対応フローはどうなっていますか。医師への連絡経路は
- 看護師が1名の日はありますか。その日の負担はどうですか
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(訪問リハビリ)
- 1日の訪問件数と、1件あたりの時間はどれくらいですか
- 移動手段と、訪問範囲の広さを教えてください
- 担当する疾患の幅を教えてください(在宅・回復期・小児・難病など)
- 看護師との情報共有は、どういう形で行われていますか
- インセンティブや訪問手当がある場合、その計算基準を教えてください
- 目標設定や評価は、どのタイミングで誰と行いますか
- 1人で判断に迷ったとき、相談できる先輩は何名いますか
- 症例検討や外部研修の機会はありますか
介護職(デイサービス・訪問介護・施設)
- 送迎は運転者と添乗者の2名体制ですか。1名で乗降介助まで行いますか
- 入浴介助は、何名を何時間で、何名体制で行っていますか
- 休憩は交代制で取れていますか。休憩室はありますか
- 1日のご利用者数に対する職員配置を教えてください
- レクリエーションの準備は、業務時間内にできますか
- (訪問介護の場合)1日の訪問件数と移動時間、直行直帰は可能ですか
- (施設の場合)夜勤時の職員数と、月の夜勤回数の実績を教えてください
生活相談員・ケアマネジャー
- ケアマネジャー・ご家族との連絡は、1日どれくらいの頻度ですか
- 介護報酬請求は、どこまで担当しますか
- 送迎や介護業務の補助には、どの程度入りますか
- 月末・月初の繁忙度はどれくらいですか
- 担当件数は何件ですか(ケアマネジャーの場合)
- 相談員が1名体制ですか、複数名ですか
ドライバー
- 1日の送迎件数と、1回あたりの所要時間を教えてください
- 運転者と添乗者の2名体制ですか
- ご利用者さまの乗降介助は、どの程度ありますか
- 車両の種類とナビの有無、駐車場所の状況を教えてください
- 送迎と送迎の間の時間は、どう過ごしますか
- 事故やヒヤリハットが起きたときの対応フローを教えてください
聞きづらい質問を、聞きやすくするコツ
条件面の質問は、どうしても気が引けます。3つだけコツをお伝えします。
① 「求人票を読んで」を頭につける
「求人票に年間休日125日とありましたが、実際の取得状況を教えていただけますか」
求人票を読み込んできた真剣な候補者、という印象になります。
② 「自分の事情」を先に開示する
「小さい子どもがいるので、オンコールの回数を具体的に知りたいのですが」
事情が分かると、相手も具体的に答えやすくなります。
③ 「直近の実例」を聞く形にする
「制度としてはどうですか」ではなく「直近で入職された方は実際どうでしたか」
制度の有無ではなく運用の実態が聞けます。この記事でくり返し出てくる形です。
最後に
質問リストを全部聞く必要はありません。自分がいちばん不安な項目を3つ選んで、それを深く聞くほうが有効です。
そして、答えの内容と同じくらい、答え方を見てください。具体的な数字で即答できる事業所は、現場を把握し、記録し、改善しようとしている事業所です。
ケアみるの個別説明会・見学会は選考ではありません。その場で応募を決める必要はなく、後日辞退していただいて構いません。 聞きたいことを聞くための場として使ってください。
このテーマを見学で確かめられる施設
記事で紹介したポイントは、実際に現場を見ると一番よく分かります。ケアみるに掲載中の訪問看護ステーションの見学・説明会情報です。