応募の前に職場を見たい、という求職者は増えています。受け入れる側にとっては、求人票では伝わらないことを伝えられる機会です。
ただ、準備のないまま受け入れると、かえって印象を落とすことがあります。弊社自身が訪問看護ステーションを運営し、見学を受け入れている立場から、準備しておきたいことを5つに整理しました。
①誰が案内するかを、先に決める
当日になって「手が空いている人」が対応すると、答えられる範囲がばらついてしまいます。
- 条件や制度の話ができる人(管理者・サービス提供責任者・事務)
- 現場の実感を話せる人(入職1〜3年目のスタッフ)
この2人で対応するのが、いちばん伝わります。管理者だけだと建前の話になりやすく、現場だけだと条件を聞かれたところで止まってしまいます。
②当日までに、労働条件を書面で渡す
職業安定法では、募集を行う事業所に、求職者と最初に接する時点までに労働条件を明示することが求められています(第5条の3)。応募前の見学がその最初の接点にあたるなら、見学の前に渡しておくのが筋になります。
2024年4月からは、就業場所と業務について「変更の範囲」も明示する項目に加わりました。
- 業務の内容(将来の変更の範囲を含む)
- 就業場所(将来の変更の範囲を含む)
- 契約期間(有期なら、更新の有無・判断基準・通算の上限)
- 試用期間の有無と、その期間中の条件
- 始業・終業の時刻、休憩、休日、時間外労働の有無
- 賃金(固定残業代があれば、その内訳)
- 社会保険・雇用保険の加入
メールの本文でも、PDFでも、いま使っている求人票の添付でも構いません。先に渡しておくと、当日は職場の様子を見てもらうことに時間を使えます。
③見せる範囲と、見せないものを決めておく
事業所の中には、利用者の個人情報があります。
- ホワイトボードの利用者名や訪問予定
- 記録の画面、申し送りノート
- 利用者宅への同行(ご本人・ご家族の同意がない場合)
当日あわてないよう、伏せるものと順路を事前に決めておきます。同行まで見せたい場合は、利用者への説明と同意を先に取っておく必要があります。
④よく聞かれる質問に、答えを用意しておく
見学に来る人が気にすることは、だいたい決まっています。
- 残業は月に何時間くらいか。記録はいつ書いているか
- オンコールは月に何回当番が回り、実際に何回鳴るか
- 直近1年で、何人入って何人辞めたか
- 入職後の教育で、どのくらい同行がつくか
- 有給はどのくらい取れているか
「分かりません」「人によります」が、いちばん印象を落とします。数字そのものが良くなくても、把握していて言える事業所のほうが信頼されます。
⑤その場で決めさせない
見学の最後に「どうですか、応募されますか」と聞きたくなりますが、その場での意思確認は逆効果になりやすいところです。
見学に来る人の多くは、転職するかどうかもまだ決めていません。持ち帰って考えられると分かっているから、気軽に来られます。「また気になることがあれば、いつでもご連絡ください」で終えるほうが、結果として応募につながります。
まとめ
- 案内役は、条件を話せる人と現場の人の2人で
- 労働条件は、見学の当日までに書面で渡す(職業安定法第5条の3)
- 利用者の個人情報は、伏せるものと順路を事前に決めておく
- 残業・オンコール・退職者数は、数字で答えられるようにしておく
- その場で応募を迫らない
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